目盛りメモリーズ(旧One Click Say Yeah 2020)

音楽、映画、その他日常の生活からはみ出たもの、または日常そのもの

2016年のベストアルバム(洋楽中心)

【総評】(いきなり)

2016年はWild Nothingの新作が期待していたほどでもなかったところから幕開け、その後はなんとなく当たりがなくああもう違うのかなぁと思いながらアルバムとかよりもむしろDavid BowieやPrinceの逝去とかの出来事に持ってかれた印象の1年だったと記憶しております。

 

例えば2015年だとGrimesの『Art Angels』とかベストに上げてるメディアが多かったようだけど、前作が好きだった自分にとってはむしろ普通というか、何となく音楽業界が彼女を次世代のポップアイコンにしようと褒めまくっているような気がしてしまって、つくづく自分はあまのじゃくなんだなって思えて萎えて、世の中の「良い」とされているものに対す抗いがここ数年は続いていたんだなと思う。

それでも「おもろい音楽、ないかねぇ~」と彷徨って出来上がった2016年のベストは、あら案外、世間と同調してるじゃないのと振り返って感じるラインナップになってて、勝手に色んなフィルターをかけて聴いてたのはむしろ自分だったんだろうなと思うようになり今これを書きながら自分で自分をグーで殴っているところ。

もしくは創作をしている時って自分の作品作りに必要な音楽だけを取り入れようとしてて、その外部まで関心を置く余裕がなかったのかも。その創作面が大幅に削られている今だからこそ、余計なフィルターなしに音楽を楽しむことが出来るようになったのかもしれませんね。


以前にも書いたことあるが、単なるサラリーマンである自分にとって音楽を聴くのに重要な時間が「会社の行き帰り」で、さらに洋楽となると歌詞の内容は後付けで紙媒体やネットで情報拾いながらでしか中身を咀嚼できない自分にとっては重要なのは「音の感じ」つまり音像であり、究極は音像+声がどれだけ耳にフィットするかというのが選考基準となってます。

 

そんな偏った楽しみ方しかできない自分ですらDavidBowieが死ぬ間際まで作り続けた作品は凄まじいものだと感じ取れたし、Bon IverやFrank Oceanの異質さは紛れのないものでした。

 

【5位】
LAMBCHOP『FLOTUS』

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通算12枚目!とかいいながら特に熱心なファンではなかったですが、彼らの長年のキャリアの中でも相当な異色作らしい。この作品でもやはりVocalにオートチューン(ボコーダー)が効果的に使われているのが興味深い。

その辺の経緯も含めて、むちゃくちゃ面白いエピソードがモンチコンに紹介されてるので是非。

Lambchop - FLOTUS | Monchicon!

 

【4位】
PICNIC WOMEN『My Diary of U.S.』

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今年はよりいっそうBandcampでの視聴/購入が多い年でした。新旧問わずいい音源がないか、まずはBandcamp探しの旅から始める感じで定着。利用しているアーティストに偏りはあるが例えばTortoiseの新作は9$だったりするわけだからiTunesamazonで購入するより確実に安いという側面も。

さらに今年の後半は(今さらながら)JUKE/FOOOTWORKを開拓しまくっていた時期があり、まさにPICNIC WOMENは「Bandcamp meets JUKE」のたった3$の素敵な出会いをさせてくれた記念碑的な作品です。

5分弱の速攻で終わる作品ですが、とにかく音の密度と素材のチョイスはある意味本場のシカゴでは真似出来ない完全なるオリジナル・ジューク。聴いた回数でいうと一番多かったかも。

あと念のために言っておくと、多分この人は女性ではない、そして関西在住らしい。

picnicwomen.bandcamp.com

 

【3位】
BON IVER『22, A MILLION』

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すでに各所で2016年ベストに挙げられているので私が言えることは(小声で)「カセットで聴いても良かったよ」くらいのことだけか。
それにしてもこれほど歪なポップミュージックがちゃんと評価される欧米の音楽への関心ってやっぱ凄いなあという一般人目線。日本では絶対出てこないですよね。

 

【2位】
David Bowie『Blackstar』

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で、そういう歪なポップミュージックを切り開き突き進み続けた先人の最後の作品。「最後だから凄い」というよりは「最後なのに、凄い」。2曲目とラストの曲(涙...)が最高に好きです。

 

【1位】
Frank Ocean『Blonde』

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Frank OceanとBON IVERは確実に繋がってますね。ともに、もはやジャンルを超越した音楽。ただBON IVERと同じくらいの歪さをもっているのに行き帰りの電車で何度もリピートできてしまう風通しの良さは何なんだろうというのもこの作品の偉大さを象徴している。(ついに)デジタルリリース限定というのも含めて、個人的にも新しい価値観を手に入れることのできた作品でした。

Sampling-LoveのBlog - Frank Ocean / 「Blonde」 & 「Endless」

FRANK OCEAN - BOYS DON'T CRY

 

【次点】

あとは忘れてたけどRadioheadも2016年だったしもうちょいCLUBMUSICよりだとDJ SHADOW、Com Truiseも良かった。当然ながら聴けていないのは無数にある。日本の音楽はもう分からなくなっちゃったなぁ。唯一asa-chang&巡礼の『まほう』とライブを総じて、彼らとの音楽的出会いが自分の中での大きな出来事の一つになりました。

 

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asa-chang&巡礼についてはまた改めて書こうと思う。(2/3の東京ワンマン行きたいなぁ。)